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出店を考えるときの思考 その1【店舗前通行量】

早朝の心斎橋筋商店街。

朝の心斎橋筋




こちらは朝の法善寺横丁

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普段は、普段と言うのは多くの人々が利用する時間帯だが、この時間帯は車の通行(法善寺はもともと通れないがw)ができない。この商店街を利用した事のある方は分かるだろうが、車の通れる隙間など微塵もないのである。よって多くの利用者が、歩行者専用と勘違いしているほど、この商店街には人が溢れている。
多くの店舗オーナーさんが、この商店街立地に羨望の眼差しを向ける。もう少し家賃が安ければ私も出店を考えるんだけどなぁ・・・とよく聞く。しかし実際はそんな単純な話ではない。家賃が大幅に減額しても成り立たない業態などいくらでもある。更に言うならば、現況で成り立っている店舗、業態も少なからず存在している。人が多く通れば家賃が高くなる、この方程式は世界共通の店舗家賃設定における認識だろう。しかし重要なのは、店舗前通行人の「内容」である。


心斎橋筋商店街を例に取ると、まずは通行人の年齢層が低い。この商店街、元々は高貴な通路だった。今とはまったく違う意味で羨望の眼差しを受けていたのである。この商店街を歩ける事が一種のステータスでもあった。老舗店舗のオーナー様からよく伺う話である。その時代を生きた人々からすれば、今の商店街の姿は、もはやいくつもある筋の1つに過ぎないという。確かに品格という側面からみると頷ける内容なのかもしれない。時代と共に姿を変えてきた商店街に寂しさを感じているのだろう。個人的にも偏った業態構成に疑問を感じているが、功利主義的な発想が支配している今の状況で、文化的な要素を守る意見が通るとは思えない。加えて今の経済状況を鑑みると尚更その意見は立場を失うのである。


話を戻すと、年齢に相応して客単価も変動する。その考えからすると、高価な商品やサービスを提供する店舗の繁栄は期待できない地域だと言える。しかし、そうした業態を手掛ける強力なファンドパワーを持つ企業が、フラグシップとして出店しているのをたまに見るが、私はたやすく様々な情報を入手できるようになった今この世の中で、その手法に効力があるのか疑問を感じている。そんな店にはもちろん客などほとんど入っていない。文字通り旗の役割でしかない。そこから得られる効果が、今と昔ではかなり違うと感じている。その根拠は先ほど述べた情報の内容と、もうひとつ大きな要因がある。それは人の意識である。

昔は「心斎橋筋商店街にある店舗」としての効果は絶大だったと聞く。しかし今はそこにあろうがなかろうが、ユーザーにとってはほとんど関係なく、むしろ2等立地の更に横に延びる通路の奥深くに佇む店舗がもてはやされたりする。もちろんその店舗の料理が美味しい、サービスの質が高いなどもあるが、人が持つブランドイメージ、価値観、優越感などが時代と共に変化し、有名商店街に店舗があっても現在では「数多く存在する店舗の中の1つ」といった具合にしか捉えられていない店舗がほとんどだろう。逆に店舗オーナーが出店できた優越感に浸っている場合が多い。昔ならこの優越感が夜の謝辞等からお金に変わることもあっただろうが、現在ではこれが収益に寄与することは何一つない。


次に客の身分である。例えば同じ23歳でも大学生と銀行員では財布の中身は恐らく違う。学生と社会人の差は大きく、更に既婚、独身で同年齢でも大きく変わる。どの職業が一番お金を持っているかは一概に言えないだろうし、誰が既婚かなど判断することは不可能だ。このような内容にある程度の指針を付けるとすれば、周辺環境の理解がもっとも信頼できる。大型マンションが何棟あるか、オフィス街が近いか、目的の通路は、A地域からB地域への通り道として機能しているので、B地域の内容を見極めるなど、例えばこの3つだけでも明らかに出店戦略が変わってくる。そんなの当たり前の思考ルーティーンだと思う人でも、心斎橋筋商店街の強烈な通行量に判断が鈍る。以前のブログでも書いたが、この判断が破滅への第一歩となる可能性がある。見た目は若くても、どのような身分、質の人達なのか。そしてその中でもどのような人達が自店のオープンしている時間帯に通行しているか。人の質と言えば失礼な表現だが、この部分の見極めが、その場所で何が機能するかの大きな判断基準になる。ある意味では通行量よりも大事かもしれない。どれだけこの部分を入念に分析するかで、勝利を掴めるかどうかが半分は決まると言ってもいいだろう。


そしてこれは余談だが、ほとんどのオーナーが出店時には念頭に置いていない風評について。いつかの生産地偽装事件、O-157による集団食中毒、オイルショック、最近では狂牛病や口蹄疫、原発の放射線分布など、正確に細部まで理解・把握できない情報に対して、経済や世界は感情で動くことが多い。店舗経営、とりわけ飲食業ではこういった風評被害に経営が大きく左右される。しかし風評を突き詰めると、情報の真贋に確信が持てないからこそ風評被害が具現化するのであり、買わない人、食べない人に直接的な罪はない。情報を発信した側も言論の自由という曖昧なルールブックにのっとり発信している事がほとんどで、これまた発言・発信行為自体を避難するのも難しい。そうなると店舗不動産経営は、風評と共存していくしかないのである。どれだけそれに対しての対策を練っていても、、その努力とは別の次元で客足は遠のき、その施策とは無関係に原材料単価が上がるからである。唯一の対策があるとすれば、毎日の経営で顧客の信頼、ニーズを掴み続けることではないか。もしもの時でも風評がかかる以外の魅力部分で来店してもらえるような、ユーザーから見てそんな位置付けであるお店になることが、唯一の対策かもしれない。


最後に通行人の目的である。
自然の流れによって、厳密には流行のうねりや元々の地域の性質が元になって、であるが、その地域毎に店舗カラーが存在する。どこかのプロデュース企業や不動産会社が仕掛けた地域もあるが、ほとんどの地域が何かの特色を持っている。この地域一帯は×××が集まっているエリアなどという説明をよく耳にする。この地域カラーの波に乗る事も店舗出店を考察するにあたっての重要なフェーズである。
例えば、心斎橋筋商店街界隈と難波駅南東のなんさん通り界隈を比べてみると、通行量では心斎橋筋商店街が勝るが、年齢、身分、通行時間帯はどはほとんど変わらない。通行量に対する男女比率の差、社会人比率の差が多少あるくらいで、購買力という視点では、両地域にあまり大差はない。しかし両地域に極端に出店比率の違う業態がある。まず簡単に分かるのは被服関係の店舗。心斎橋筋商店街界隈にはいたるところに存在するが、なんさん通り近辺にはあまり見かけない。まったく無いわけではないが、心斎橋方面に比べると、0といってもいいくらいである。それとまったく同じ理由でなんさん通りに少ない業態がアルコール系である。居酒屋業態はほとんどない。逆に心斎橋へ行くと被服業態に負けず劣らず居酒屋がある。それはその地域を利用するユーザーの購買目的を見て、二次的に機能するか否かという論点で結論が見える。
さすがにこの2つの地域だと、出店を考えるオーナー様は上記のカラーぐらい認識済だと思う。しかし例えば清水通と鰻谷通と三休橋筋のカラーの違いはどうかと聞かれると、回答はリサーチ熟度に比例して大きく差が出る。明確に差が無いと思う方もいるだろうが、通い詰めると色々な発見がある。簡単に体感できるのが時間帯別のリサーチである。どこでどのような身分の人々が待ち合わせをしているのか、タクシーの流れが多くなる時間帯に最も通行量が多いのはどこかなど、数回見ただけでは魅力が無さそうな地域でも、リサーチすればするほど、時間と共にそのカラーを露呈するのである。






通行量という情報の中には、年齢、性別、職業、目的、既婚、通路特性など、様々な要素が隠れている。

よって単純に、「通行量が多い=優良立地」とは言えないはずだ。これらの内容を納得いくまで調査・把握した後でも店舗探しは遅くは無い。そして得たデータは、一度記憶してしまえばそうそう変化するものでもないので、出店を検討している地域を感覚だけで決めるのではなく、具体的な数値に起こし、ギリギリまでリスクを排除した店舗選びをして頂きたいと思う。自らが計画している売上高や備品の償却期間なども通行量調査に勘案しながら計画を立てていく。どこに出しても成功するお店など存在しないので、常に最悪の状況を考えながら進めていくことが大切だと思っています。



最後に、法善寺にいる猫ちゃん。
さてどこでしょうか?2匹いますよ★

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気付くと見つめられていましたw

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Author:Saymer
洋楽ロック(80’s~90’s)と、スポーツ(球技全般)をこよなく愛しております。海山で自然との遊戯を好み、時間と資金と心に余裕があればすぐに動き出します。
読書も好きで、政治経済から推理小説、宗教理念やノンフィクション物まで何でも読みます。いい歳してTVゲームも好きで、結局インドアなのかアウトドアなのか自分でもよく分りません。
法律と科学を好み、文系か理系かこれまた自分でもよくわからない嗜好の持ち主です。
免疫力が弱いらしく、すぐにウイルスに負けてしまいます。阪和線で季節を問わず鼻水たらしながら本を読んでいるヒトを見かけたら、それは多分私です。

仕事は大阪の工務店で、不動産事業を行っております。
主に店舗不動産の仲介、売買、コンサルティングですが、収益物件取引、住居・店舗の賃貸や管理なども行っております。

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