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契約の決め手、最後は人だと思う

3月も下旬です
日本には悠々と繰り返される四季があり、子供の頃、一年中常夏の国があることや、太陽が沈まない街があることが、とても不思議に感じたことを覚えています。人恋しくなる季節は人それぞれ違うでしょうが、私は決まって秋に感じる事が多く、冬には過去を思い出すことが多く、夏の夜には高揚感を感じて、春の昼間には、決まって子供のころに描いていた大人になっていない自分がいることを認識します。なぜかは分かりませんが、思い返せば毎年同じような思念を巡らせているように思います。仮に季節がそうさせているとしたら、日本人は色々な感性を四季から享受しているのかもしれません。それはおよそ人知の範囲ではなく、地球規模での人類の性質向上に対するヒーリングが行われている・・・といったところでしょうか(笑)





■契約は感情が左右する■

みなさんこんにちは
今日は「契約」について考えてみたいと思います。

弊社の不動産事業は、業務の内容上、お仕事のエリアは関西全域を対象にしています。
最も活動実績があるのは大阪ですが、京都や奈良へも数多く足を運んでいます。しかし、本来の不動産業は、一部の物件を扱う場合を除き、ほとんどの場合が地域密着型の営業スタイルとなっています。

このように地域に根差した不動産屋さんが多いのは、不動産業の性質上、その地域の詳細な街の内容、慣例、事件などに熟知している方が、信用、信頼を得やすいからです。それは物件を購入・賃借するお客さんから見ても、物件の売却・賃貸をお願いする家主さんから見ても同様です。不動産業では情報が命です。その情報をより多く集める事が、多くの契約に繋がるのはスケールメリットから見ても明らかです。下手な鉄砲数打てば・・・ではありませんが、実際にはそういった意味合いが強いと思います。

ましてや店舗不動産となると、物件の価値に対して立地が占める割合が極端に強く、いかにその情報をリークできるかが、収益に直結しているのが現状です。そこには規律だったルールは無く、ニーズばかりが独り歩きした無法地帯に店舗不動産は位置しています。

情報が命の不動産業ですが、同じ情報であれば、極論ですがどこからその情報を入手しても、情報の内容はさほど変わりません。サンクスで買うシーチキンおにぎりと、ローソンで買うシーチキンおにぎりは多少違いますが(業界の方々には失礼かもしれませんがシーチキンおにぎりには変わりありませんシーチキン好きな私はなんだかお腹が空いてきました

このように大差ない情報や、商品等の購入・契約を決定するとき、選定する一番の決定要因は、間違いなく人間です。その人が以前からお世話になっているなどの場合を除き、対応している人間の良しあしによって決定されることはどの世界でも同じでしょう。あそこのコンビニの店員は無愛想だから行かない・・・といったことはよくある話です。そしてこれは購入者・契約者側、販売者・提供者側双方に、同じ割合で同じ量のリスクとアドバンテージを担保しています。

お客さん側が、店員や営業マンに感じる心理的な嫌悪感や安心感があるのと同じように、店員や営業マンがお客さん側に感じる心理的な嫌悪感や安心感も存在します。それに気づくか気付かないか、感じるか感じないかの差があるだけで、双方の心理が購入意欲や契約内容に作用します。よって商いの性質上、商人がクライアント側に感じた内容を契約や販売に反映させることも当然に存在し、顧客側もほとんどの場合、反映させるか否かを自由に選択できます。不動産の場合、業者側から見た契約への判断基準は、収入や法人規格などで半分以上は決定されます。この内容はすぐに変化できるものではなく、違法な行為を除き信頼度は十分です。ですが、今回の話で重要なのは残りの半分の方です。







●危機管理能力は満面の笑顔を好む●

ここで1つケーススタディといきましょう


・3月某日、雨が降る週末に、大阪市で50年の老舗店舗「セイマー不動産」に、男Aが部屋を借りたいと訪れました。少し皺の入った時代錯誤のダブルのスーツを着た彼は、水滴を落とすために傘を店内でバサバサとしながら、自分は現在埼玉県で働いているが、もうすぐ転勤があり大阪市内の営業所へ異動になると言っています。カウンターに座り詳しく聞いてみたところ、所属法人からの家賃補助は出るが、契約は個人、賃料の支払いも個人で行うとのことでした。
いくつかの物件を紹介・内覧した結果、少し希望からは外れましたが、賃貸マンション「マンション四季」の1室を申し込むことになりました。部屋の広さや設備の割には、家賃も安く人気のマンションです。未だに家賃の支払いが、「振込み or 手渡し」という事以外は何も不自由がないと評判です。家賃は交渉でどうにかならんのかねぇーと呟き、カタカタと貧乏ゆすりをしながら申し込みに必要な事務処理を終えると、ポポポポ~ン♪とどこかで聴いたようなメロディを鼻歌交じりに、彼は埼玉県へ戻って行きました。

・男Aの内容、希望、申し込んだ部屋の条件は以下の通りです。
【 男A:48歳 営業部 年収450万円 独身 保証人は従兄に検討してもらっている 】 
【 希望:合計55000円以内で広くて角部屋で上層階 】
【 家賃:55000円 共益費:2000円 保証金:20万円 償却:10万円 1F角部屋 】


次の日、埼玉県の同じ法人で働く男Bが、にこやかな雰囲気で、部屋を借りたいのですが、と相談にやってきました。経理部なのになんで転勤があるんでしょうねまったく・・・と内覧中も冗談混じりで話をしています。契約形態などは、全て昨日の男と同じ内容を話していました。どうやら大がかりな異動がこの法人では実施されるようです。身なりも受け答えもきっちりして、なるほど経理畑の印象そのままだな・・・と、偏見と一般論が構成したような雰囲気を醸し出しています。
彼が申込をした物件も「マンション四季」でした。昨日も同法人のAさんがこのマンションを申込ましたと伝えると、少し怪訝そうな表情になりましたが、Aさんが申し込んだのは1階ですと伝えると、あいつなら1階がいい、色んな意味で・・・とどこに目線を合わせるわけでもなく言い放った後、私が同じマンションに住むかもしれないという内容は男Aには伏せておいてくれと言いました。そして感謝の言葉と共に、あと5日程度大阪に居ますのでと伝え、彼は帰っていきました。

・男Bの内容、希望、申し込んだ部屋の条件は以下の通りです。
【 男B:31歳 経理部 年収350万円 娘1人と妻の3人家族、単身赴任 保証人は父親 】
【 希望:合計55000円前後、できれば最上階の角部屋、静かな立地がいい 】
【 家賃:57000円 共益費:2000円 保証金:20万円 償却:10万円 最上階中部屋 】


2人の契約を担当するのは、セイマー不動産期待の星「つるちゃん」です。(なぜカエル?)つるちゃんの契約はトラブルがほとんどないので、店長からも、今回申込みをした「マンション四季」の家主さんからも、大きな信頼を獲得しています。最近結婚した彼は、嫁とのおこずかいUP交渉が決裂したので、なんとか歩合給を稼ぎたいと必死になっていますが、慎重な性格の彼は決して契約を私利欲を満たす方向に向ける事はありません。つるちゃんの経験では、2人とも内容的にはまず大丈夫だと思っています。


つるちゃんは、まずは男Aと契約のやり取りを進めようと思いました。追加の重要書類の郵送や、保証人の確認など、色々と伝える事があります。男Aは埼玉県に戻っているので電話でのやりとりになっています。しかし電話は繋がらないことが多く、いつもつるちゃんが留守電にメッセージを残していました。しかしいつまでたっても男Aから保証人が確定したという報告はありませんでした。これでは進捗具合を伝える事ができません。そこでつるちゃんは何か考えています。

次につるちゃんは男Bとのやりとりを始めました。申込みの結果は出ていませんが、甲斐性、家族構成などから、男Aより与信に少し信頼性がありません。案内時や申込時にもその部分についての説明は行っています。男Aとは対照的に、男Bとの連絡は、繋がる事が多く、留守番電話にメッセージを残すと、すぐに折り返しの電話がきました。家賃もうひとがんばり難しいですかねぇ・・・というさほど深刻そうでもなく、笑い声も交えながらのお願い事も、つるちゃんには1つの判断基準として映っているようです。


結果として2人の契約内容は以下の通りとなりました。

男A
【家賃:53000円 共益費:2000円 保証金20万円 償却:10万円 保証会社保証料:25000円 】

男B
【家賃:54000円 共益費:2000円 保証金20万円 償却:10万円 】


概ね2人の希望条件に則した契約内容となっています。しかし男Aには保証会社(賃料の支払いを家主に保証するサービスを行う会社。家賃滞納時、入居者に代わり保証会社が家主に賃料を支払い、のちに入居者から家賃の回収を行う。)の契約が付いています。支払い債務的与信に関しては、家族持ちで年収も低い男Bの方が悪いはずですが、これはいったなぜでしょうか?







●契約内容も人が決める●

では、どのようにして契約内容が決まったのかを、つるちゃんと「マンション四季」の家主さんとの会話を見ながら考えてみましょう。


「もしもしお世話になっております、セイマー不動産のつるちゃんです。」


 「あ~つるちゃん。いつもどうも。今回は申し込み2つもありがとね♪」


「いえいえ、前回も無理な交渉内容を承認頂いてありがとうございました。」


 「まぁねぇこんな時代だから・・・ウチみたいなボロマンションは仕方ないねぇ。」


 「そんなことないですよ?立地が抜群だし、何よりリフォーム具合がいいですよ。」


 「そうかい?リフォームは阿倍野にある老舗工務店がいつもお世話してくれるんだよ。」


 「へぇ~頼もしい工務店さんですね♪こんど別の家主さんにも紹介してみますよ。」


 「ぜひそうしてやって。いい会社だから。」


 「ありがとうございます。ところで今回の2つの申し込みですが・・・」


 「ああ、申込書は見たよ。収入や会社的には特に問題ないとは思うけどね。


 「私も同感です。ですがこんな時代なので、賃料の減額を希望されています。」


 「まぁ仕方ないと思うしかないねぇ。2人ともかい?」


 「2人ともです。すみません・・・」


 「そうかい。それで間違いなく決まるのならいいんだけどねぇ・・・」


 「1人はもう埼玉県に帰りました。もう1人も明日朝1番の飛行機で帰る予定です。今から別の物件に流れることは考えにくいとは思います。」


 「なるほど。それなら私も決断しやすいね。で、2人はどんな感じの人?


 「私の受けた印象では、男Aさんは、申込内容を少し再検討する余地がある気がしています。」


 「へぇ、そりゃどういう意味だい?」


 「実は男Aさんとは、最初からなかなか連絡がつきませんでした。電話も何回も繋がらないことが多く、折り返しの電話もありません。重要な内容の確定にも時間がかかっています。」


 「たまたま忙しかったのかもかもねぇ?」


 「もちろんその可能性もあります。しかしここまで折り返しの電話がないとなると、経験上少し疑問符がついてしまします。」


 「たしかに折り返しは、自分のタイミングでできるもんねぇ。」


 「まぁ最終的なご判断はお任せしますが、その他にも全体的に見ての印象があまり良くないところもあります。」


 「う~ん、確かに過去に何回か痛い目みてるしねぇ・・・じゃあ保証会社を付けてもらおうかねぇ。」


 「わかりました。保証会社へ審査依頼をかけておきます。本人にも説明しておきます。」


 「手間取らせて悪いねぇ。」


 「いえいえ、実は収入と未払いは一概に比例しないところもあるんですよ。」


 「まぁそこは人間性の問題にもなるしねぇ。ウチのマンションも引き落としにしたらいいんだけど。」


 「でも法人はほとんど振込ですよ。今回はたまたま個人契約でしたが。業者まかせになるのが気になる家主さんも多いようですしね。」


 「私は昔からの習慣に慣れてるから、変わるのが嫌なだけなんだけどね(笑)」


 「お気持ちは理解できます。」


 「もう1人のお客さんはどんな感じだい?」


 「そうですね、、私から見て男Bさんは問題ないと思っています。全体的な印象も連絡のレスポンスも問題ありません。」


 「そうかい。じゃあそのままいこうか。


 「こちらも多少の減額を希望されていますが・・・」


 「いいよ。そのかわりつるちゃんの固い内容の申込みに今後も期待してるよ。」


 「プレッシャーですね(笑) ありがとうございます。」







実際に、不動産業者と家主との間で取り交わされている話の内容を知る術はありません。守秘義務などの名目で、決定までの行程は公開されず、お客さんとしては、ただ待つのみ、信用するのみです。そしてどんなに小さな取引であったとしても、上記のような話合いは必ず存在します。重要なのは、その中で話し合われ決定される内容の全てに、印象、経験上、心理、といった明確な根拠のない要素が決定要素として作用していることです。

今回の論点としては、そういった内容で決定されていることへの対策ではなく、そういった内容で決定されていることを十分に認識し、契約に対する納得度を再確認することにベクトルを向けています。ちょっとした行動やしぐさが、発言と結び付けられてその人の印象となります。本人にはその気がなくても、プラスマイナスどちらかへの印象へ傾くのです。お互いがお互いを無意識に、しかし判断の材料として観察しています。今回のような小額の契約でも、10億円の収益物件でも、間違いなく人は人を見ています。お客さんは営業マンを、営業マンはお客さんを見て、契約するかどうか、もっと言えば安全な契約が出来るかどうかを、お互いに見極めているのです。

男Aの店内に入ってからの行動や連絡の繋がり具合、男Bの、にこやかな態度や対応、発言のニュアンスなどが、つるちゃんの判断材料になった可能性があります。男Aについては、折り返しの電話が無いだけであれば、保証会社の契約は無かったかもしれません。態度や行動、発言も、つるちゃんの危機管理思考に関与した可能性があります。男Bについても同じ事が言えます。契約に対する誠実さや、減額交渉に対する態度が、収入による判断以上の付加価値を与えていたのかも知れません。



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■他人同士だからこそ■


先日、京都の物件を問い合わせたところ「大阪の業者は信用ならん!じゃまくさい!」と言われ、その後、もうこの物件は申込が入ったから!と言われ電話を切られました。納得がいかなかった私は、京都の宅建協会に現状の報告をしました。
すると、受け答えをしていただいた宅建協会の事務の方から驚きの返答。


協会 「図面が欲しいのですか?それとも謝ってほしいのですか?どっちですか?」

私 「・・・」

協会 「違うんですか?どうしてほしいんですか?」

私 「あの・・・その前に1つ聞きたいのですが、お宅は何のために存在するのですか?」

協会 「不動産情報が円滑に流通できるようにです。」

私 「はぁ・・・(それができてない可能性があったから電話しとるっちゅーねん!!)」


私はガクッとなりました。こんな受け答えをする人間が協会の窓口を担当しているのかと。その後のやりとりも、会話の前後に整合性が無く、そのことを問いただすと、覚えていません、忘れました、言った言わないになるから言いません、と意見を翻す始末終始学生と話しているようで(まだ学生の方が優秀な気が(笑))、最後は諭すように話しながら、疲れ果てて電話を切りました。





契約の決定までには、様々な要素が絡み合っています。
収入はもちろんのこと、上記で示したような感情的な部分も、決定に関して大きくウエイトを占める可能性があります。そしてほとんどの場合は、知らない人同士がお互いに対価を払い合うことになります。そういった中では、お互いの一生懸命さは必ず伝わり、いい加減な対応も気付かない内に捉えられています。契約とは、人と人が行う約束事です。書類や審査基準に目がいきがちですが、最終的には人間が判断を下します。その中で重要なのは「心の通った行為」です。たとえ収入が基準値以下だとしても、なんとか出来ないのか、お互いに納得できる手段はないのかと双方が考えることが、納得度の高い契約を生みだすと思っています。たとえダメだったとしても、伝え方が良ければ結果も円満になるでしょう。そして聞き方が良ければ、営業マンの更なるモチベーションへと繋がることもあるしょう。




契約の半分は感情で動きます。

感情で動かない契約は、ロボットが相手の時くらいです。
他人同士が締結する契約とは、双方の疑心暗鬼をひも解く会話の結果でもあるのです。

契約とは、そうしたお互いの理解を深めた結果だと思えれば、お客さんや営業マンとの接し方も、相手の為を思って動くことができるのではないかと、私は常に思っています













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居抜き物件の金銭的価値について

みなさまこんにちは。
寒いのに薄着でウロウロしていたら、一発でカゼ引いてしまいました(笑)
皆様も体調には十分お気をつけ下さい

そしてサッカーアジアカップで、寝不足気味の人も多いのではないでしょうか?
はい、私もその1人です 前の試合で川島選手がREDカードをもらった問題のシーン、私には今野選手はボール触っていなかったように見えたのですが、皆様はどう感じたでしょうか?まぁそれを言うと岡崎選手がファウルをもらった場面も普段なら笛が鳴らないシーンのように思いますが、左記にある川島選手退場の混乱が主審の判断を日本側有利へと心理的に導いたような気も・・・・・ん~、とにかく勝利してよかったです(笑)
個人的には岡崎選手が大好きです。粘りがあるプレーはどのスポーツでも共通ですが、いろんな意味で重宝されます。カタール戦こそ得点はありませんでしたが、あの試合は自分の中では岡崎選手&長谷部選手の活躍が大きかった気がしています
でもマンオブザマッチは香川選手かな(笑)


今回は、居抜き物件の価値を、どのように判断するかについての考え方の1つをご紹介致します。
様々な価値判断があると思いますが、その中でも今日は「金銭的価値」を中心に考えてみようと思います。



■このお店、公正な値段をつけるならいくらかな・・・?と考えてみる。


これは職業柄かもしれませんが、旅行先や遊びに行った地方などで居抜き店舗をガラス越しに見つけたりすると、

この物件、単純に金銭的価値だけをみるといくらくらいかな・・・
とすぐに考えてしまいます(笑)

余談ですが・・・(わが社の社長は、技術介入度が高い?伝統的?( あくまで私の予想(笑) ) な木造建築物が建築中の現場などを偶然発見すると、即クルマを停めて見に行っています(笑) その後「セイマー、あの梁はなぁ~」と建築の事をあまり知らない私に色々教えてくれるので、密かにそれが楽しみだったりもします

居抜き物件の価値判断において、まずは色々な種類の店舗の金銭的価値を見極めることが出来るようになれば、数字には現れない隠れたアドバンテージを確保することができます。

では「金銭的価値」を見極めるには、店舗のどの部分をどのように見ればよいか。金銭的価値とは「お金がかかっている=価値が高い」という意味ではありません。例えば厨房機器メーカーの最新情報などを知り尽くしていれば、店内に置かれている厨房機器が最新のタイプかなどは分かりますが、最終的に総合的な判断を行う時、そういった部分が価値判断に大きく関与してくることはほとんどありません。なぜなら中古品の性格上、その厨房機器の現状を完璧に把握することは難しいからです。

とはいえ、中古の厨房機器を中古専門店で買うより、居抜き物件に備え付いている中古厨房機器の方が、金額的には安くあがります。感覚的には中古専門店での購入価格の3分の1程度です。もちろん中古専門店の厨房機器は再メンテナンスを行った上での販売なので、値段に差があるのは当然ですが、新品、中古専門店、居抜き、それぞれののメリット・デメリットを認識したうえで判断することは大切です。


「え?3分の1?いやいやそれはないでしょセイマーさん」と思われた方もいるでしょう。確かに造作価格が中古専門店で購入するのと遜色ない値段で提示されている物件も数多く存在します。
居抜き店舗の金銭的価値は厨房機器に対しての金額だと思われている人が大半ですが、居抜き店舗の魅力は厨房機器の他にもう1つ大きな魅力があります。

私が考える、居抜き店舗を使った出店における最も大きな恩恵は、

「給排水配管、吸排気ダクト、同業態の営業許可」がすでにある(許容されている)部分です。


厨房機器や備品以外の見えない部分の設備に、半分以上の金額が付いていると思ってもいいくらいです。実際に店舗をスケルトンから建築された方ならお分りでしょうが、床下や天井内設備、電気工事のような見えない設備には、多くの資金を投入しなくてはいけません。この見えない設備の耐久年数は、一般的には厨房機器や備品などよりも長いため、目的の居抜き店舗がスケルトンから建築を行って数年以内であれば、その居抜き店舗の単純な「金銭的価値」は、比較的高いのではないかと判断できると思います。

配管や排気ダクトの構造は、図面を見ない限り正確な状況は分りません(たまに図面通りでない状況もありますが)内覧に伺う時は、可能な限り配管系の図面などを用意してもらうと良いでしょう。現場を見て図面を見て、ある程度判断できる力を養うと、また一歩安定経営に近づきます。

もちろん全ての店舗に通用する考え方ではありません。例えば業態的に配管などを酷使していそうな場合は、運営年数に反比例した信頼性をそのまま確保することは心理的に難しいでしょう。次の契約では排気箇所を屋上にして欲しいなどというビル側、家主側からの要望もあるかもしれません。

しかしこういった考え方を持つことで店舗選定の幅も広がり、たとえリスクを負う選択をしたとしても、納得度の高い物件選定を行うことができます。





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物件選定における心理

今日は朝からお世話になっている会社様との情報交換会に行ってきました。
業態や職種も様々な人達なので、意外なところから新しい考えが閃いたりして、日々勉強だなといつも感じます。私のブログタイトルは「日常のひらめき」ですが、何かが閃いたりする時は、仕事中でも、お休み中でも、決まって何気ない時間を過ごしている時の様な気がします。



先日のブログで居抜き物件の紹介をしました。
物件はまだまだあるのですが、詳しくは「店舗そのままオークション」にも掲載しているので、ご覧くださいませませ

これからこのブログで、「居抜き物件」を、色々な角度から考えていこうと思います。
でもちょっとそのまえに、物件選定(今回は飲食店舗をメインに)における考え方として、大前提のお話をします。

例えば、梅田駅徒歩1分交差点角立地で15坪で坪1万円ラーメン屋居抜き造作価格無料敷金3カ月分・・・のような夢物件は、残念ながら存在しません(笑)
ならば、相場より家賃が高い、感覚的に場所が悪い、契約形態における年数が短いなどなど、一般的にリスクと呼ばれる部分をヘッジできるかどうか、これから行う業態でカバーできる可能性が高いマイナス要因かどうか・・・などを、最も重点的に考える事が、物件選定では重要だと思います。

私は、「良い部分が悪い部分を十二分にカバーできる物件」など全物件の1割程度だろうと考えています。カバーしきれない残りの部分は、都市開発によって突如舞い降りた恩恵など以外では、自らの経営でなんとかする以外ありません。ここで言う良い・悪いは物理的(角地、店舗階数、視認性、契約内容など)、統計的(通行量、家賃相場、対年齢客層、地域風評など)な内容を可能な限り数値化したものです。
しかし、一部の企業を除き、多くの個人、または企業が物件の良しあしを判断する最も多い理由は、


「なんとなくの総和」


なのです。


なんとなくの内訳は、「信頼する知人から聞いた情報」、「TV・情報誌」、「店舗運営成功体験からくる印象」、「対象物件の近隣に長年住んでいて良く知っている」、などなど。ほとんどが先ほど述べた物理的・統計的ではなく、いうなれば感覚的・経験則的といった、数字では無く、記憶や感性による判断基準なのです。

特に数店舗を経営して、なおかつ成功しているオーナー様は、自分の感覚に絶対の自信を持っている方が多くいます。「俺は物件を一目みれば、大体の事は分かる」といわんばかりのオーナー様はごまんといます。それとは対照的に「全国1000店舗を黒字再生させた!数字で運営をひも解くコンサルティングアドバイザーの達人」のような理詰めのような感じの方もいます。
ここで1つ質問ですが、単純な比較として、いつもお世話になっている信頼できる知人、上記にあるオーナー、1000店黒字コンサル、この3人が無償でアナタに物件選定についてのアドバイスをしてくれたとした場合、どの言い分にどの程度の割合で信頼を置きますか?

答えは、突き詰めるとほとんどの人が後者のコンサルティングアドバイザーだと思います。

順位としては、
知人20%<オーナー30%<コンサル50%
といったところでしょうか。

理由としては1000店舗の黒字化という響きが、論理的な成功への手法を享受できそうという印象受ける・・・などが主な理由としてあげられると思います。やはり数値や統計は、どの分野でも大きな信頼を獲得するツールと成り得ます。しかし実際の現場は不思議な事に前者のオーナーや知人の意見をおおいに参考にしている人がほとんどなのです。






この矛盾は一体なぜ生まれるのか。


まず第1に「人間関係」
ずっとお世話になっている人、過去に店舗運営の事以外の事で相談して意見をもらい、その内容が現在信頼できる内容に具現化した人など、利益を目指す店舗運営とはおよそ関連が付かない「信頼」によって、この矛盾は成立しています。人として、人生の先輩として、過去の実績としての信頼を、利益を上げるために行う行為に対しての信頼に繋げているのです。


第2に「先人の意見は絶対」
複数店舗のオーナーが語る成功体験は、間違いなく役に立つという信頼が、これから行う店舗運営すべてに関係する内容であると時間と共に考えるようになり、結果的に大きな信頼を寄せるようになります。これを私は「成功体験の万能性」と呼んでいます。加えてそのオーナーと同業態を目指すならば尚更この傾向は顕著に現れます。最初は「良いと思う所は参考にしよう」との姿勢が、いざ重要な決定を行う時に、オーナーの意見が、時間経過に比例して発達し「絶対的な意見」となり、いつの間にか決定事項に大きく寄与してきます。


この2つに共通することは、程度の差はありますが、性格の違う信頼力を、目的である店舗運営に関係する信頼力に変換・換装してしまっているということです。なぜそのような事が起こるかをひとことで表現するのは難しいですが、敢えて言うならば「距離」です。オーナーや知人との人間関係としての距離、心理的な距離が近いほど、自分では気付かない内にこのような状況になっている場合が多く、結果として判断に大きく影を落とします。


では統計などの物理的な数値に絶対的な信頼を置くのかというと、みなさんご察しの通り答えはNOです。
ここで私が言いたいのは、ミクロとマクロの思考を混在させてしまわないようにすることなのです。

なんやねんそのミクロとマクロの思考て?かっこつけやがってえらそーにと思ったアナタ!!
もうちょっとだけ読んでみて下さいませ


まずミクロは、分り易く言い換えると「△△市○丁目付近」「周辺店舗オーナーの意見」「独自サービス」「地域別ルール」などなど、比較的狭い範囲といえる内容。
マクロは「都道府県」「各種統計」「基本的営業規律」「エンドに対するサービス」「気持ちのよい言葉使い」などです。

ケースバイケースでミクロ・マクロの意味合いは変化しますが、ピンポイントで見た物件と、遠くから眺めた物件では意見はかなり違ってくるということなのです。
言い換えると、ミクロの意見は、マクロで通用しない場合があり、逆もまたしかりなのです。

余談ですが・・・
ミクロとマクロで大きく違うのは今回のケースだけではなく、皆様の良く知るミクロ・マクロ経済学でもおなじみですし、難しい話になりますが、物理学の世界でも同じです。人間が暮らすマクロ世界では「質量保存の法則」(「化学反応の前後で、それに関与する元素の種類と各々の物質量は変わらない」という化学における保存則の一つ)は当たり前ですが、素粒子物理学の仕事場であるミクロの世界では、質量は化学反応の前後でハッキリいってメチャクチャです(笑) いかにも理路整然としてそうな科学でさえ、大は小をまったく兼ねないという事実があります。なので人の心理や不安が決定を左右する今回のケースでは至極当然の事なのかもしれませんね。




おっと脱線しすぎました話を戻しましょう。
しかしこの「どれを優先するかの判断」がかなり難しい。以前ある重要な意見を聞いていたが、後日にインパクトのある別の意見を聞いて以前の意見の重要度が薄れて忘れたり、対象の物件の場合、ミクロ・マクロどちらのどの内容に比重を置くかの判断などです。前述したコンサルは比較的マクロ寄りの意見、オーナーや知人はミクロ寄りの意見が多いのではないでしょうか。


総じて結論付けると・・・
■人間関係や成功体験の万能性としての意見も非常に重要です。しかし一方の意見、成功者の経験則などに重きを置くことは、知らず知らずのうちに自らの思考停止を誘発する危険性を孕んでいます。どんなに親しい間柄でも、正確な判断ができなくなるような距離まで近づくことはせず、コンサルのような一定の意見にも、可能な限り数多く触れることが、よりリスクを排除できる近道ではないかと私は思います。物件選定の段階からコンサルを行っている会社は少ないですが、市が行っている統計などは、おおいに活用すべきです。そして物件を選定する中で「この内容は重要だ!」と感じた時は、意見の発信元、日時、感じた感想などをメモに取って保存しておく事をオススメします 後にいくつかのそれを並べて確認した時、自分が何を重要視しているか、誰かの考えに傾きすぎていないかなど、客観的に確認することができるからです。




「たかが物件選びにそこまでやってらんねー」と思われるかもしれません。



しかしそれでも私は慎重になりたいと思います。
なぜなら、物件選定の行為は、「その人の人生に介入する」くらいの気持ちがあるからです。
個人の店舗運営とはほとんどの場合、経営は人生と生活の中心になります。法人でさえ社運の一翼を担っている場合がほとんどです。なのでいざ決定する時、私も横から口出しします(笑) 一般の不動産屋ではありえないと思いますが、かなり意見を言います。しかもマイナス面を重点的に(笑) その時うっとーしく思われてもいいんです。お客さんが成功しないよりはマシです。イチ意見として捉えて頂き、いい距離を保ちつつ最後までお手伝いできればと思います。




次回は「居抜き物件の金銭的価値について」を考えてみたいと思います。
なんだかんだ言って、やっぱりお金は重要ですからね(笑)






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プロフィール

Saymer

Author:Saymer
洋楽ロック(80’s~90’s)と、スポーツ(球技全般)をこよなく愛しております。海山で自然との遊戯を好み、時間と資金と心に余裕があればすぐに動き出します。
読書も好きで、政治経済から推理小説、宗教理念やノンフィクション物まで何でも読みます。いい歳してTVゲームも好きで、結局インドアなのかアウトドアなのか自分でもよく分りません。
法律と科学を好み、文系か理系かこれまた自分でもよくわからない嗜好の持ち主です。
免疫力が弱いらしく、すぐにウイルスに負けてしまいます。阪和線で季節を問わず鼻水たらしながら本を読んでいるヒトを見かけたら、それは多分私です。

仕事は大阪の工務店で、不動産事業を行っております。
主に店舗不動産の仲介、売買、コンサルティングですが、収益物件取引、住居・店舗の賃貸や管理なども行っております。

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